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2004.12.11

吉永小百合のような人と結婚して日々やりこめられつつ……。


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お気に入りフレーズ(54)

私はこの一九六三年頃、つぎのような夢想を持っていた。

それは、吉永小百合のような人と結婚して日々やりこめられつつさわやかに敗北して暮らし、日曜日には芦川いづみのようなおねえさんと田園調布にテニスをしに行くというたわいのないものであった。

しかし、それが私にとっての民主主義と中流のイメージ、いいかえれば戦後という時代のあるべき姿だったのである。

そして、だいぶ崩れはしたが、幸か不幸かその夢想の断片はいまも私の内部にこびりついているのである。

――関川夏央『昭和が明るかった頃』

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昭和が明るかった頃文春文庫

*読前: 昭和30年代、日活、そこに裕次郎と小百合がいた。日本が青春だった時代を描く講談社エッセイ賞受賞作。


**読後:★★★ 著者は、これは映画の本ではないと、繰り返しいう。「映画評論でもなく、まして映画についてのノスタルジックな告白でもない」。「高度経済成長前半期の歴史とその不思議な時代精神を記述する」とあとがきに書く。

ノンフィクションかと思ったが、当事者に取材をしているように見えない。書籍・雑誌からの引用ばかりだ。エッセイというには長すぎる。評論というには、映画と時代を論ずるのにテレビが正当に扱われていない。吉永小百合で時代精神を描くには無理がある。

わたしは吉永小百合を中心とした日活映画史としてたいへん面白く読んだ。著者は、小百合の代表作は「キューポラのある街」と「純愛路線」映画群としている。TVの「夢千代日記」を加えるべきでしょうね。

***関川夏央『昭和が明るかった頃』文春文庫・2004.11.10第1刷

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