三回食事をするより、一回お酒を飲むほうが、その人のことがよくわかる。
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三回食事をするより、
一回お酒を飲むほうが、
その人のことがよくわかる。
そして三回お酒を飲むより、
一回旅するほうが
さらにその人となりが見えてくる……。
――俵万智 『トリアングル』
*読前:妻子ある恋人と過ごす満ちたりた時間。年下の彼がくれる新鮮な刺激。二人を同時に愛するのは罪なのだろうか。著者初の長篇恋愛小説。
**読後:★ サラダ記念日―俵万智歌集
あれから17年、俵女史は40歳をこえ、マイ・セックス・ライフのような、ソフト・ポルノのような小説を書いた。上の文章も、「三回旅するより、一回エッチするほうが……」と続いたりする。それはともかく…。
読売新聞夕刊に連載する前に「試みとしては、地の文に、短歌を織り込んでいきます。『伊勢物語』や『源氏物語』の時代には、物語と和歌は、ごく当たり前に同居していました。その魅力を、現代の小説のなかでも生かしてみたい」と抱負を語っていた。
「散文と短歌が響きあって、新たな広がりや余韻が生まれれば」との作者の意図は、しかし成功したとは言いがたい。20年経っても進化していない短歌が、地の文の「説明」のように、「要約」のように、「繰り返し」のようになってしまった。結果として短歌という表現形式はなんとも饒舌だなあという印象。
***俵万智 『トリアングル』中央公論新社・2004.5.25初版
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