京都人と大阪人は仲が悪く、神戸人と大阪人も仲が良いとは言い難い。
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京都人と大阪人は仲が悪く、神戸人と大阪人も仲が良いとは言い難い。けれども、京都人と神戸人は肌が合う。表現を変えれば、三者の中で大阪人が孤立しているともいえる。(略)
京都人に言わせると、大阪人は「あんなにせっかちで柄の悪い連中」となり、神戸人も「大阪へ行ったら、イライラさせられ、神戸に帰るとホッとします」となる。
詰まるところ、京都人も神戸人も、世に言われる大阪的なる現象や、大阪人の持つ特性の一切合財に、肌合いがよろしくないというわけである。
――丹波元『こんなに違う京都人と大阪人と神戸人』
*読前:「関西人」と呼んでくれるな!―京都人らしさにこだわる「京都人」、サービス精神旺盛な「大阪人」、すっきり自然体の「神戸人」。 “関西人”とひとくくりにされては大迷惑だ! 本書は“京阪神”の「何が違うのか?」から「なぜ違うのか?」までを徹底分析。
**読後:★★★
著者は大阪生まれの放送作家。京阪神三都の違いについて薀蓄をかたむける。ぎりぎりのところで「自画自賛」をまぬがれているのは、著者の遊びごころが生きているからか。
たとえば、「ハムレット」の「生きるのか、生きないのか、問題はそこだ」(氷川玲二訳)を「翻訳」すればこうなる、と書く。
・京ことば
生きるほうがよろしおすんやろか、生きんほうがよろしおすんやろか、肝心なとこはそこどすさかい。
・大阪弁
生きとったらええんやろか、生きなんだ方がええのやろか、肝心なとこはそこだっせ。
・神戸弁
生きとりたいのか、死んでしまいたいのか、問題はそれやでッ。
だから、「関西」とひとくくりに、せんといておくれやす、せんといてや、したらあかんでェ。
***丹波元『こんなに違う京都人と大阪人と神戸人』PHP文庫・2003.3.17第1版第1刷
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