« 京都人と大阪人は仲が悪く、神戸人と大阪人も仲が良いとは言い難い。 | トップページ | 人はけだものに唾棄しながら、けだものになりたいと思う瞬間がある。 »

2004.12.23

少年になって、セックスをする。相手は――。「その頃に出会った女と、するんだ」

okiniiri.bmp

お気に入りフレーズ(66)

「夢を見るんだ」
正確には、なぎさが、自分を買った男に夢を見させる。もっと正確に言うなら、客の男たちはなぎさの体を貪ったあと、必ず深い眠りに落ちて、同じような夢を見る。

「どんな夢なんだ?」(略)
「セックスの夢だ。それも、ただのセックスじゃない。少年になるんだ」(略)

少年になって、セックスをする。
相手は――。
「その頃に出会った女と、するんだ」
初恋の同級生。女教師。近所のねえさん。その他……いろいろ。

――重松清「敦夫の青春」『なぎさの媚薬』


66-sigematu


なぎさの媚薬 


*読前:「どうも、薬を服まされるみたいだぞ、なぎさを買うと」
夜の渋谷にたたずむ娼婦・なぎさは、孤独な男たちに夢を見せる。それは、青春時代の忘れ物を取り戻す、せつなく甘い夢…。


**読後:★★★★
これは官能小説である。女にとってはポルノだが、男にとってはファンタジーである。
私はなぜか「男純情の愛の星の色 冴えて夜空にただ一つ あふれる想い」という古い歌のフレーズを思いだしましたね。

リストラにひっかかって出向の片道切符を押しつけられ、単身赴任を余儀なくされ、妻とも息子ともしっくりいっていない、四十三歳の中年サラリーマン。
――そんな男を癒すためのポルノふうお伽話である。

作者はこう語る。
「自分でも勃起したいし、できるものを書こうと。それで切ない思いも書き込みたい。ただセックスシーンがねちっこくなればなるほど行数が進まず、早く射精してくれよ、と願うことも(笑い)。書いていて、僕自身の欲望も含め、妙に解放される部分があって、本当に楽しめる官能を書けた気がしますね」
付け加えることはなにもない。

***重松清『なぎさの媚薬』小学館・2004.7.20初版第1刷

|

« 京都人と大阪人は仲が悪く、神戸人と大阪人も仲が良いとは言い難い。 | トップページ | 人はけだものに唾棄しながら、けだものになりたいと思う瞬間がある。 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 少年になって、セックスをする。相手は――。「その頃に出会った女と、するんだ」:

« 京都人と大阪人は仲が悪く、神戸人と大阪人も仲が良いとは言い難い。 | トップページ | 人はけだものに唾棄しながら、けだものになりたいと思う瞬間がある。 »