■ 闇権力の執行人|鈴木宗男
たとえば私の疑惑の場合なら、捜査が始まっていない段階で「三井物産ディーゼル発電疑惑」「北方領土支援事業疑惑」「公設秘書ジョン・ムエテ・ムルワカ疑惑」といった案件をリークして、世論を「鈴木宗男=悪人」という方向に誘導する。
検察担当記者としては、検察からリークを得るのは悪いことではない。しかし、問題なのは、リークされた情報を最低限検証することもなく報道したり、そこから取材を進めて得た情報を検察に戻していることである。つまりこれだと、結果的に、特捜の手不足を補い、下働きを務めることになってしまうのだ。
ジャーナリストである記者が取材したことを書くのは当然のことだ。問題はない。しかし、再度いうが、自ら取材した情報を検察にもっていくと話は別だ。記者が検察の下働きをしていることになる。
しかし、それをしないと検察は追加的情報を流してくれない。情報がないと報道ができない。ここから構造的に検察と司法記者の癒着が生まれる。構造の問題だから、個々の検察官や新聞記者のモラルで解決することはできない。
――「第7章 騙されたメディア」
■ 闇権力の執行人|鈴木宗男|講談社|2005年12月|ISBN:4062129213
★★★★
《キャッチ・コピー》
権力の中枢にいた者にしか、この本は書けない!
日本の中枢に巣くう暗黒集団の実態-「政治家」「検察」「官僚」「民間人」の邪悪なリンクによる闇の世界を、見聞した事実に基づき明らかにする。命を賭した初めての告白。
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