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■ 大仏破壊――バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか|高木徹

20061214daibututakagi

911と、大仏破壊、半年の間をおいて起きた二つの破壊の関連である。〔…〕

パキスタンの内務大臣、モイヌッディン・ハイダルは、

「ツインの仏像と、ツインのタワー、その両方を破壊したわけですね」

と言い、

ピエール・ラフランスは、より詳しく、

911でニューヨークのビルが崩れ落ちていくのを見たとき、これは大仏を破壊したのと同じ精神によるものだ、とすぐわかりました。大仏もWTCも、巨大な、気が遠くなるほどの労力をかけて作られたモニュメントであり、それを破壊することで“非イスラム文明の思い上がり”をぶち壊す、という象徴的な意味がこめられていたのです」

と分析する。

そして、フランス人らしい比喩で二つの事件を関連づける。

「“大仏破壊”は“911”の“プレリュード(前奏曲)”だったのです」

ビンラディンにはもっと具体的な、大仏破壊のメリットがあった。〔…〕

ビンラディンの論理では、「国際社会」なるものは、欧米のキリスト教徒とユダヤ教徒の同盟、十字軍・シオニスト連合に支配されている。その国際社会が口を揃えて守れ、という大仏像を木っ端微塵に破壊する映像の強烈なイメージこそ、ビンラディンの思想に共鳴するイスラムの若者たちの心に響くメッセージとなる。

■ 大仏破壊――バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか|高木徹|文藝春秋|200412月|ISBN4163666001

★★★★

《キャッチ・コピー》

それは、9.11のプレリュード(前奏曲)だった。9.11―同時多発テロの前に、タリバンが支配するアフガニスタンにおいて大仏遺跡の破壊が行なわれた。

その背後には、ビンラディンとアルカイダの周到な計画があった。バーミアンの大仏破壊に秘められた衝撃の真相とは…。『戦争広告代理店』の著者が放つ、本格ノンフィクション第二弾。

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