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2006.12.09

■ 甘茶日記|中野翠

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もはや我慢の限界なのだ。あまりにも目障り、耳障りになって来た。

それは「勝ち組・負け組」という言葉です。もしかして、この一年、最もメディアに氾濫した言葉なんじゃないか? その少し前には「勝ち犬・負け犬」という言葉もはやった。

誰もが平気でこういう言葉を受け入れ、口にする。そもそもは軽い冗談やシャレ、あるいは物事を単純にわかりやすくするために持ち出された言葉だったんだろうが、世の中にはマジメな人が多い、アッという間に現実的なシリアスな言葉として浸透してしまった。〔…〕

「勝ち組・負け組」という二分法と連動するかのように、あらゆるジャンルにおいて「格付け」「ランキング」というのも猛威をふるうようになった。〔…〕

「多数派が好むもの」が何かを熱心に知りたがり、それを自分の行動基準にする、その度合いが強まっているのだ。〔…〕

何とかして「勝ち組」にへばりつきたい。「負け組」と見られたくない。せめて多数派の中にだけはもぐり込んでいたい……というのが、今や人生を支配する一大強迫観念になっているかのようなのだ。

――「20051011月」

■ 甘茶日記|中野翠|毎日新聞社|2005 2月|ISBN4620317454

★★★

《キャッチ・コピー》

うるせェんだよ~! 「勝ち組・負け組」だの「上流・下流」だの、どうでもいいじゃないか、そんなこと。200411月から200511月までの話題を満載した痛快コラム集。『サンデー毎日』掲載を中心にまとめる。

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