■ 私説広告五千年史|天野祐吉
「人間はことばを使う動物である」という定義は、「人間はいかがわしい動物である」と言いかえでも、別にかまわないんじゃないかという気がする。人間の歴史は、いかがわしい生き物たちのいかがわしい所業の歴史と言いかえることもできるでしょう。
で、人間の持っているそんないかがわしさを、一身に体現しているのが、実は広告というものではないか、とぼくは考えています。ま、芸術や芸能も、祖先は広告と同じですから、それぞれ十分にいかがわしい。が、100パーセント濃縮還元のいかがわしさを持ったものと言えば、やはり、広告が代表選手でしょう。
だから、広告の歴史を考えることは、人間の歴史そのものを考えることになるんじゃないか、少なくとも、人間の歴史の一つの側面を考えることになるんじゃないか、と前々からぼくは思ってきました。
■ 私説広告五千年史|天野祐吉|新潮社|2003年11月|ISBN:9784106035319
★★
《キャッチ・コピー》
食欲、性欲、そして広告欲! 人間は、広告する動物である。始皇帝、イエス・キリスト、空海や一遍、秀吉、ルイ14世ら、世界史上の「広告名人」たちのテクニックは?
《memo》
タイトルにまんまと騙された。しょうむない本だった。
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