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2007.03.30

■ マイナス50℃の世界|米原万里/山本皓一

20070330mainasuyonahara

取材陣に通訳として同行した私は真冬のシベリアを二カ月がかりで横断。クライマックスは冬季平均気温がマイナス50度という、ヤクート共和国における取材で、最低気温零下59度を体験した。

合成樹脂製のカメラバッグがたちまちひび割れ破れてしまい、薬瓶のプラスチック製の蓋を開けようとしたらパラパラと粉状に。とにかく石油製品は一切通用しない世界である。〔…〕

この時採用されたのが、アシックス社のゴアテックスという新素材の繊維で作られた防寒着。本来月面探査隊のために開発された素材とうかがった。

その開発担当の部長さんはロシア19世紀の文豪ゴーゴリの名作『クラス・ブリバ』を、こよなく愛読していたらしい。防寒着シリーズにこの名がついた。〔…〕

自分たちの愛してやまない主人公の名がロゴとして日本人取材班の一人ひとりの胸に記されるのに気付くと、ロシア人は皆興味深げに尋ねる。われわれとしても、ロシアの名作が日本人にも愛されていることを知らせるのが嬉しく、喜んでその理由を告げるのだった。

あるとき、説明を聞いたロシア人はつぶやいた。

「その方の座右の書がドストエフスキーの『白痴』じゃなくて本当によかったですね」

――座右の書

■ マイナス50℃の世界|米原万里/写真・山本皓一|清流出版|2007 01月|ISBN9784860291891

★★★

《キャッチ・コピー》

1984年から85年に行われた、TBSテレビのシベリア横断65日の取材に通訳として参加した米原万里が、その体験を小学生にもわかるように綴った幻の処女作

memo

 世界一寒い国、旧ソ連ヤクート共和国(現サハ共和国)。この本を読まければ、一生知らなかった国。

米原万里■ 必笑小咄のテクニック

米原万里■ 真昼の星空

米原万里■ 打ちのめされるようなすごい本

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