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2007.03.31

■ ほんとうのアフガニスタン|中村哲

20070331afugannakamura

アフガニスタンでは、「お金がなくても生きていけるけれども、雪がなくては生きていけない」という諺があります。全くその通りで、雪が夏に溶け出して、川を満たし、そして豊かな農業地帯を提供していた。

その貯水槽である巨大なヒンズークシユの山の雪が、だんだん消えつつあるのです。おそらく戦争が起きなくてもアフガニスタンそのものが、何年かすると砂漠化して、一千万人以上が居住空間を物理的に失うのではないかとの予測もされています。〔…〕

ことの深刻さに私が気づいたのは二〇〇〇年六月にダラエ・ヌール診療所の建て直しに訪れたときのことです。〔…〕。その折、ダラエ・ヌール診療所で群をなして待機する患者たちを見て、いったい何事かと驚いたのです。

患者の大半が赤痢などの腸感染症でした。しかも犠牲者の大半が子供で、上流から何時

間もかけで歩いて来る者も少なくない。外来で待つ間、死んで冷えてゆく乳児を抱えた若

い母親が途方にくれていた。〔…〕

じつは赤痢の大流行が理由で、さらにその原因が飲料水の欠乏だったのです。例年なら、水であふれる谷は、田植えの季節です。だが、水田どころか、行けども行けども干からびた地面と、滴れた水無川が延々と続いていた。

■ ほんとうのアフガニスタン|中村哲|光文社|2002 03月|ISBN9784334973339

★★★

《キャッチ・コピー》

内戦、伝染病、貧困、飢餓、あらゆるいのちの闘いをつづけてきた日本人医師。

史上最悪の大干ばつ発生に、医師団は1年で1千本の井戸を掘り、

いままた空爆後のアフガン難民に、いち早く食糧援助を開始している。

*

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