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2007.03.29

■ 打ちのめされるようなすごい本|米原万里

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現地に何度も足を運び癌や白血病に苦しむ子どもたちの惨状を『イラク 湾岸戦争の子どもたち-劣化ウラン弾は何をもたらしたか』(高文研)で訴えたフォトジャーナリスト森住卓は、

「劣化ウラン弾とは緩慢な大量殺人兵器、一度使えば永遠に続く殺人兵器」と、彼を主人公に据えて描かれた三枝義活着『汚れた弾丸』(講談社)の中で述べている。

ひどいのは、この劣化ウラン弾を、今回の戦争でもアメリカは使ったこと。湾岸戦争後非武装地帯となった砂漠で何度も見かけた劣化ウラン弾の薬きょうと同じものを、イラク戦後、現地入りした森住は、バグダッドの街角で見つけてカメラに収める。被弾した戦車が捨て置かれ・その周囲では、子どもたちが無邪気に遊んでいる。

市内で略奪行為が繰り返される様子に、「あれほど理性的だったイラク人がどうして」と当惑する森住に、スウェーデン人記者が言う。

「略奪や暴動を扇動しているのは米軍かもしれない」

「バグダッド刑務所を解放した米軍は収監されていた刑事犯に街を混乱させるようそそのかし、廃墟となった官公庁に押し入るようにアラビア語で市民に指示していたらしい」

その証拠に、「他の施設の略奪行為は放っておいてるくせに、石油省だけはしっかり米軍が警備してる」と。

「意図的にイラク国内の無法状態を作りあげ、イラク人には統治能力がないと印象づけようと」しているのかと森住は考え込む。

――「世界を不安定にする最大の脅威」

■ 打ちのめされるようなすごい本|米原万里|文藝春秋|2006 10月|ISBN9784163684000

★★★★★

《キャッチ・コピー》

20065月にがんで他界した著者の、『週刊文春』に連載された渾身のがん闘病記である「私の読書日記」と、1995年から2005年までのほぼ全ての書評を収録する。

memo

■ 不肖・宮嶋inイラク――死んでもないのに、カメラを離してしまいました。|宮嶋茂樹

↑では逆に「不肖・宮嶋、地球の肛門みたいなところばっか渡り歩き、今までとんでもない奴らを目の当たりにしてきた。その中でも、イラク人は最低の部類に入る」と書かれている。

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