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2007.04.02

■ わが師わが友|山口瞳

20070502wagashiyamaguti

友情とは利害関係のうえに成り立つ。あいつに会えば何か得るところがある。奢ってくれる。勉強になる。自分にないものを持っている。これが、一方的にではなくて、相互にという関係でないといけない。あいつとつきあっていればトクがあるというのが根本になる。

そうして、その間柄は尊敬六分、軽蔑四分というふうでないといけない。これが尊敬八分、軽蔑二分になると友情はこわれてしまう。相手が先生にちかいものになる。そうやって離れてゆく。

尊敬五分五厘、軽蔑四分五厘になっても、関係はあやしくなる。

つまり、尊敬しながらも、心のどこかで、あいつはしょうのないやっちゃと思っていないといけない。お互いに、である。

――「尊敬六分・軽蔑四分の間柄 私の交友録」

■ わが師わが友|山口瞳|河出書房新社|2004 05月|ISBN9784309016368

★★

《キャッチ・コピー》

決定的な影響を与えた二人の師、高橋義孝、吉野秀雄から、盟友・梶山季之、サントリーの開高健、国立在住の友人まで、かかわりあった「忘れえぬ人々」の思い出とエピソード。単行本未収録原稿によるオリジナルエッセイ集。

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