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2007.04.12

■ 開高健 夢駆ける草原|高橋 曻

20070412yumetakahashi

「旅にも疲れた、読むことも、見ることも、聞くことも、食うことも、飲むことも、ぜんぶやってしまった。もう充分ャ。あと残っているのは自殺くらいのもんやな、ハハハハハ……」

そんなことを言うときの先生の眼は、遠くて暗い哀しみに沈んでいた。

「オィ、海坊主、なんでもエエからでかくて面白い話を知らんか?」

まるで、生きることのすべてに失望しているようだった。

それがあのモンゴル大草原に立ったときに、チカッ、ピカリ、ズドドン! と先生の中で閃いたのだ。

「謎ャ、大いなる謎ャ。人類史上最大最強の帝国であったモンゴルのチンギス・ハーンの墓がいまだに発見されてないのはなんでャ。これは最後の夢やデ。もう少し生きていられる気がしてきたデ」〔…〕

先生の掛け声に、誰もがみんな同じ夢を見た。しかしその計画が実際にスタートしたとき、そこに先生だけがいなかった。

――「夢を追うんヤ。」

■ 開高健 夢駆ける草原|高橋 曻|つり人社|2006 10月|ISBN9784885365485

★★

《キャッチ・コピー》

「キミと私は切っても切れない仲なんャ、よろしく頼むデ」と直々に指名を受け、十数年にわたって『オーパ!』の旅のすべてを撮影し続けた、写真家・高橋曻。

世界中いっしょに歩いた写真家が、これまで大切にしていた旅の思い出を、書き下ろしのフォトエッセイ集にまとめました。誰も知らなかった開高健の姿が甦る、ファン必読の一冊です。

*

開高健■オーパ!

仲間秀典■開高健の憂鬱

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