内田春菊■ 作家は編集者と寝るべきか
人格を心配される?
妄想を育てすぎると、「うわ、こんなの書いちゃった。とんでもない人間だと思われたらどうしよう」というものが出来上がることがあります。が、それはたいがい取り越し苦労なので、気にせず発表しましょう。「よくまあこんなこと書くなあ」というところまで読み込んでくれる人は、そんなにはいません。〔…〕
だから誠実でなくてもいいって話ではなく、自意識過剰になり過ぎると自分が疲れますよってことです。ただでさえそうなっちゃう仕事なんだから。肩の力を抜きましょう。書く仕事は楽しいですが、あまりにそっちの世界に引っ張られると実生活が痛々しいものになりがち。「作家は破滅型が一番」だなんて、そんなこと言う人がなんかのとき自分を助けてくれるわけじゃないですからね、もー他人事だと思ってみんな勝手なこと言うんだから。
ネタになるから、ってのも……
だから、小説になるからってわざわざ変な人に寄って行ったり、私はしません。あんまり変な人のことを書くと、ますます変な人が寄ってくるってのもわかってきた。今はそんなことしなくても、普通に見える人の中に何があるかって方が面白い。意外といないもんですよ、「普通の人」。
■ 作家は編集者と寝るべきか|内田春菊|草思社|2007年 02月|ISBN:9784794215574
★★
《キャッチ・コピー》
「『体験書いてるだけなんでしょ?』と言われて23年」という著者が、創作の秘密をはじめて公開。セクハラ編集者にへこまされたり、3歳児に原稿のデータを消されたりしながらも、驚異的なペースで小説・漫画を発表しつづける怒涛の日々の全貌がいま明らかに!「そこまで書くか!?」ということまで、スカッと全部書いてしまう、思いきりのいい創作入門。
《memo》
なるほど草思社ってタイトル上手です、っていうかあざとい。
| 固定リンク
コメント