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2007.05.31

堀淵清治■ 萌えるアメリカ-米国人はいかにしてmangaを読むようになったか

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近年、海外のマンガ・アニメファンたちがこぞって、自分たちのことを「OTAKU(オタク)」と呼んでいるのをご存知だろうか。とくにアメリカでは、「OTAKU」はマンガ・アニメ分野に特別詳しい「ギーク(Geek)」たちを指す言葉として使われている。

もともと、日本ではその語源的背景などから比較的ネガティブな意味合いを含んで使われてきたこの言葉を、なぜかアメリカの「OTAKU」たちは、堂々たる誇らしさすら持って自称するために使う。まるで勲章の証のように。そしてそこには、自分たちが異国文化に精通している「コスモポリタン」なのだと自負する気概も感じられる。〔…〕

日本独特の大衆アートが世界じゅうに大きなインパクトを与えたという点で、浮世絵とマンガは共通している。

しかし、マンガが浮世絵と大きく異なるのは、そこに描かれている物語という「情報」の量が圧倒的に豊富なことだ。

日本の文化や社会的背景と密接に関わるこの「情報」を通じて、歴史も文化も異なる国々の読者が日本人の精神性に触れ、ときには意識さえ相似化するという面白い現象が起きている。そしてそこには、日本という異国の文化の本質を体感しているという知的な優越感すら見え隠れする。

■ 萌えるアメリカ-米国人はいかにしてmangaを読むようになったか|堀淵清治|日経BP社/日経BP出版センター|2006 08月|ISBN9784822245283

★★★★

《キャッチ・コピー》

日本のマンガがアメリカのコミックス市場へどのようにして登場し、発展したのかを、出版する側の実体験に基づいて綴った初めての本。世界一の出版大国アメリカで日本マンガ出版社を創り、成功へと導いた男の奮戦記。

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