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2007.05.02

魚住昭■ 官僚とメディア

20070502kanryouozumi

だが、新聞やテレビはそのことをほとんど報じない。知らないからではない。下手に批判すれば検察の不興を買い、捜査情報が取れなくなるからだ。あるいはこう言ったほうが正確かもしれない。検察担当記者たちに求められているは捜査情報を取ることであって権力の横暴を糾弾することではない。記者たちはただ職務に忠実なだけだ、と。

情報をエサに新聞やテレビを味方につければ、検察が批判されることはほとんどない。つまり世間の耳目を引く事件を立て続けにやっている限り、情報源としての検察の重要さは失われないから、どんなに無茶をしても記者たちはそれを正当化してくれる。

逆に言えば、検察は自らの威信や影響力を保つために次から次へと事件を摘発しなければならないという自転車操業的体質をこの十数年で身につけてしまったのである。

こうして検察組織の劣化は急激に進んだ。その一方で、強大な権限を与えられているがゆえに、自らを厳しく抑制する「秋霜烈日」の精神は失われ、「この国を統治するのは俺たちだ」と言わんばかりの権力的な自意識だけが肥大化した。

――第六章 検察の暴走

■ 官僚とメディア|魚住昭|角川書店|200704月|新書|ISBN9784047100893

★★★

《キャッチ・コピー》

メディアと官僚の癒着は、ここまで進んでいる!

耐震偽装事件に見る国交省とメディアの癒着、最高裁・電通・共同通信社が仕組んだ「タウンミーティング」やらせ事件・・・なぜメディアは暴走する官僚組織の支配に屈するのか? 独自取材で驚くべき真実が明らかに。

memo

 国や地方自治体の粗雑極まりない仕事のやり方は小泉政権と同時進行で増殖していったと後の歴史は語るだろう。

*

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