大下英治■ 吉本興業、カネの成る木の作り方
「NSC東京」で特徴的なのは、エクスプレッションという授業である。コントは、瞬時に喜怒哀楽をあらわす。その訓練のためである。〔…〕
「はい、泣いてー」
「はい、もっと激しく泣いて!」
生徒たちは、命じられた感情を自分なりに表現する。
この表現力を高めるエクスプレッションの授業は、「NSC大阪」にはない。大阪では、日常会話そのものが漫才のようで、そのときそのときで豊かに喜怒哀楽をあらわす。わざわざ表現力を訓練をする必要はない。
ところが、東京は頭ではおもしろいネタを考えていながらも、うまく表現できない生徒が多い。ひとに伝えて笑わせる技術を基本的に持ち合わせていない。〔…〕
一般的にいうと、「NSC大阪」には「クラスの人気者」が集まる。東京には、「クラスの変わり者」が集まる。そういう傾向があるという。引きこもりだったようなひとも、大阪にくらべると多い。
――第4章 「NSC大阪」と「NSC東京」の新人発掘戦略
■ 吉本興業、カネの成る木の作り方|大下英治|講談社|2007年01月|ISBN:9784062133791
★★★
《キャッチ・コピー》
吉本興業の人を集め惹きつける魅力とは?!総合メディア産業として変身しつつある吉本興業。タレント育成から新たなコンテンツ作りまで、そのノウハウを解明する。
《memo》
NSCとは、New Star Creationの頭文字をとったもので、吉本総合芸能学院の略称。師匠のいない一般の芸人志望の若者に芸人になる道を用意しようと、1982年、大阪に開校。1995年、東京校を開校。
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