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2007.06.19

高文謙/上村幸治:訳■ 周恩来秘録(上)(下)-党機密文書は語る

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19725月中旬、毎月一度の尿の通常検査で、周恩来のサンプルからいくつかの赤血球と異形細胞が偶然に発見された。〔…〕。その結果、周恩来が「膀胱移行上皮細胞癌」を患っているという診断が下った。

事は重大なので、大急ぎで天津と上海にも人を送って専門家の意見を求めたが、やはり結論は同じだった。〔…〕今のうちに治療すれば治癒率は80から90パーセント、ただし時機を逸して末期膀胱癌になると深刻な結果になる、という認識で一致した。

討論の結果をふまえて、ただちに報告書が作成された。〔…〕適切で実行可能な治療計画が記され、党中央に提出されて許可を待った。

というのも、党の保険制度では、政治局委員以上の指導者の治療計画はすべて、毛沢東の許可を得た後に実施することができる、と定められていたからである。

ところが、毛沢東の返答は人々に疑念を抱かせるものだった。毛が江東興を通じて主治医たちに伝えてきた4項目の指示は、1、秘密にし、総理と夫人の鄧姉さんには知らせないこと、2、検査不要、3、手術不要、4、看護と栄養を強化すること、というものだった。

時機を逸すれば致命的であることを知っている主治医たちは中央のこの決定がまったく理解できなかった。

■ 周恩来秘録()()-党機密文書は語る|高文謙/

上村

幸治:訳|文藝春秋|200703月|ISBN97841636875069784163687605

★★★★

《キャッチ・コピー》

毛沢東の粛清を逃れるために、周恩来は何をしてきたのか? 党中央文献室に保管された周恩来の極秘ファイル米国に亡命した党伝記作家が衝撃の執筆。

「慈父」周恩来に嫉妬の炎を燃やす毛沢東。死の床まで周が怖れた毛の報復文書とは? 「周恩来外交」の成功が、周の政治生命を逆に縮めた。

memo

独裁者・毛沢東への面従腹背、自己保身。No.2周恩来への猜疑心、嫉妬心。悪辣な親分への忍従、我慢、ヤクザ映画なら最後は刃向かうのだが……。1976年、共に死去。

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