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2007.06.29

三田完■ 俳風三麗花

20070629mitahaihuu

百千鳥この空のもといづことて

間違いない。暮愁先生の句だ――ちゑはこみあげてくるものを懸命に呑みこむ。

忘れもしない、昨年五月の艶書合を。あのとき先生は自分を百千鳥にたとえて、ちゑへの思いを詠んでくださった。

百千鳥絣(かすり)の袖にかくれたし

あのとき、ちゑが詠んだ句は……。

春の暮うれひもこひももろともに

そしてきょう、先生はふたたび百千鳥に、自分とちゑ双方の思いを託したのだ。この空のもといづことて――いかに意に反した境遇になっても、しょせん同じ大空の下で暮らすことに変わりはないのだ――と。

――「春の水」

■ 俳風三麗花|三田完|文藝春秋|2007 04月|ISBN9784163258607

★★★★

《キャッチ・コピー》

昭和7年、東京は日暮里の暮愁先生の句会に妙齢の娘たちが加わった。大学教授の娘ちゑ、女子医学生の壽子、浅草芸者の松太郎、三人の恋路は山あり谷あり…三者三様の恋模様本邦初の句会小説。

memo

 昭和初期の風俗を背景にした連作。小説・「句会」入門。

「俳句のすすめ」小説……轟亭

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