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2007.06.07

吉原勇■ 特命転勤-毎日新聞を救え!

20070607yoshiharatokumei

いずれにせよ、山内(毎日新聞社)社長と安倍(自民党)総務会長との間でこのような形による謝礼金支払いが合意されていると推定できた。不動産の取引だから、役所が中に入っていても、仲介手数料などの名目で大きな金でも支払いが可能になる。

通常の国有財産払い下げの場合は大蔵省と特定企業との単純な取引だが、毎日新聞の場合は大蔵省、国鉄清算事業団、大阪市、毎日の四者が関係し、払い下げと収用、売買が複雑にからんでいた。その上に大蔵省への差金支払いがあり、取引形態は複雑だったから、その道のプロにとって政治資金捻出は簡単な作業である。〔…〕

私の感触では、毎日新聞から支払われた金のうち、少なくとも十億円は各種の名目で政治家へ渡ると思われた。〔…〕

数日後、竹下が総裁ポストを得た決め手は、中曽根が新設するシンクタンク「世界平和研究所」に対して五億円の寄付を行うと約束したことである、という情報が耳に入ってきた。

五億円という金額は、毎日新聞が大阪市に余分に支払う金額と一致する。その金は、毎日新聞から安倍を通じて竹下に渡る金だと推定できた安倍は竹下に大金を渡せば総裁戦で優位に立てると思い込んでいたが、竹下はその金を中曽根にそっくり渡すことで総裁ポストを手にしたとみることができる。

毎日新聞の国有地払い下げ工作は結局、OBである安倍晋太郎の足を引っ張り、竹下に総

理への道を開く結果に終わった、というのが私の推測である。

――第四章 自民党総裁選と五億円の謎

■ 特命転勤-毎日新聞を救え!|吉原勇|文藝春秋|200703月|ISBN9784163689203

★★★

《キャッチ・コピー》

経営企画室部長職。著者に課された使命は、国有地の払い下げを受け、大阪本社の新社屋用地を確保して建設することであり、その資金を得るために大阪本社の跡地を売ることだった。

著者は必死に食らいついた。政治家に、官僚に、大手生保の幹部たちに。わが毎日新聞を潰してなるものか。周囲で実際に起きたこと、語られたことを忠実に書くことに徹したドキュメント・ノベル。

memo

 毎日新聞社は経営難に陥っている一企業だが、紙面とは裏腹に建設資金捻出のため土地バブルをあおったことを自慢げに書いている。

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