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2007.06.09

小沢昭一/永六輔■ 色の道商売往来-平身傾聴裏街道戦後史

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話し相手の鏑木さんは終戦直後の進駐軍特殊慰安施設協会(RAA)の創立メンバー。 

小沢 あの当時、メシを食わせるということは大変なことでしたからね。でも、彼女たちは慰安施設であることを知っていましたか。

鏑木 給料が高くて、メシを食わせて、着物も化粧品も支給するんですから、覚悟はしてましたね。それをトラックに乗せて大森六検、大森海岸の残った料亭を全部買いましたから、あすこへ持っていって、お湯に入れて……。一方、着物なんかは三越、白木屋の残ったものを全部押えちゃった。化粧品は資生堂の倉庫をみんな押えた。〔…〕

小沢 店開きはいつごろでした。

鏑木 マッカーサーが厚木に降りたのが830日。開店は9月の10日だった。

小沢 それにしても1カ月足らずで……。

鏑木 政府の要請では8月のみそかにはいやでもやってくれ。それには、とても施設が間に合いません。実ははじめ三越を押えようとした(笑)。

小沢 日本橋の?

鏑木 あれを全館接収して、飲む、打つ、買うがそろっているアミューズメント・センターにしようという構想だった。

小沢 飲む、打つ、買うなら三越へ!(笑)。

鏑木 ところが・警視庁のほうで、その周辺の婦女子がみんなやられるから散らかしてくれというわけです。

小沢 一カ所にあまり大掛りに集まると困るから……。

――敗戦直後の進駐軍慰安婦の実態について

■ 色の道商売往来-平身傾聴裏街道戦後史|小沢昭一/永六輔|筑摩書房|200705月|文庫|ISBN9784480423313

★★★

《キャッチ・コピー》

米兵の防波堤となった女たち。夜の蝶。ポン引き。アジアの色町を股にかけた末にガード下に立った女。ブルーフィルム屋一代、SM稼業ご一同、スワッピング稼業の方々、特殊浴場の方々…。

昭和の色の道ご商売人たちの話を、稀代の聞き手・小沢昭一が、平身低頭しつつ微に入り細をうがって聞き出し、同行した永六輔がまとめた。

memo

「陰学探検」1972年・創樹社を2冊に分けて文庫化。

*

広岡敬一■ 戦後性風俗大系――わが女神たち

小沢昭一■ 小沢昭一的新宿末廣亭十夜

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