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2007.06.01

石毛直道/井上章一ほか■ 勝手に関西世界遺産

20070601inouekattenikansai

古代のローマ帝国の水道橋を、ほうふつとさせる遺跡が、兵庫県にある。姫路市のモノレール遺跡である。今は廃線となった路線の高架橋と橋脚が、まだ残っているのだ。夕焼け時に、シルエットだけをながめていれば、古代の遺跡めいて見えなくもない。

「姫路モノレール」は、1966(昭和41)年517日に開業した。日本で最初の公営モノレールである。当時の国鉄(現JR)姫路駅と1.63キロ離れた手柄山中央公園の間を、約5分で結ぶ路線であった。〔…〕8年後の74(昭和49年)411日には、運行をやめている。〔…〕

時代に先駆けすぎていたと言うべきか。だとすれば、未来への夢が遺跡化されたのだとも、評せよう。〔…〕

全面撤去には経費がかかりすぎるため、姫路市は公共事業にあわせて少しずつ撤去を進めてきた。しかしこれまでに終えたのは、線路延長1824メートルのうち、765メートル。

橋脚は85本のうち、27本しか撤去を終えていない。封鎖された手柄山中央公園駅にも4両のモノレールが、そのままで眠っている0412月現在)。

将来的には撤去される予定だが、姫路市は有効活用の可能性を探っているとも聞く。保存するとすれば、名目は「歴史的意義ある産業遺跡」だろうか。市が、どんな妙案をひねり出すのか。私は、ひそかにそれを楽しみに待っている。

――井上章一「姫路モノレール 未来への夢 夕暮れに浮かぶ」

■ 勝手に関西世界遺産|石毛直道/井上章一ほか|朝日新聞社|200609月|ISBN9784022502285

★★★

《キャッチ・コピー》

誇るべき、愛すべき、もうひとつの「お宝」がここにある。全77遺産を収録。

ダイダラザウルス(エキスポランド)(宮田珠己)/大阪空港の着陸直前地点(桂小米朝)/旧大阪市立博物館(木下直之)/石切神社参道(宮田珠己)/ボケとツッコミ(島崎今日子)ほか。

memo

朝日新聞関西版夕刊、連載中。

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