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2007.06.15

飯島勲■ 小泉官邸秘録

20070615iijimakoizumi

中東の国々というのは言葉は悪いが「不労所得」で生きている国家群であり、指導者の役割というのはその富を国民に分配すること、ということだ。

中東の指導者にはサウジの王族、フセインのような軍事独裁者、イランのような宗教指導者、それにパレスチナ解放機構(PLO)の故アラファト議長と、いろいろなタイプがいるが、成功している指導者には共通点がひとつある。それは、こうした「富の分配」を上手に行っているということだ。

民主主義国では所得に応じた納税の義務を負うが、これらの国には納税の義務はない。一方的に富を配分することが重要なのだ。〔…〕

49日、攻撃開始からわずか20日ほどで首都バグダッドが事実上陥落した。戦闘の中心はイラク北部に移っていった。私はこの頃、当時のシェア駐日米公使(現駐マレーシア米公使)と食事をした際、外交の素人の私の見立てとして、イラクに対する米国の姿勢に疑念を持っていることを率直に述べた。

すなわち「こうした『富の分配の国家群』に対しては、必ず雇用を満遍なく生み出すようにしなければならない。こうした国を民主主義国家、資本(自由)主義国家に変えて、納税の義務を国民に負わせるに至るまでには30年から40年はかかるであろう。どのような形でも富の分配を考えなければいけない。

そうしなければ治安悪化は必至である。こうした国では民主主義よりも雇用の創出が急務である。〔…〕」

――第6章 テロとの戦い-イラクへの自衛隊派遣

■ 小泉官邸秘録|飯島勲|日本経済新聞出版社|200612月|ISBN9784532352448

★★

《キャッチ・コピー》

小泉純一郎前首相の主席総理秘書官を務め、官邸に絶大な影響力を持った著者による回想録。これまで語られることのなかった政策決定の舞台裏を内部者ならではの視点から克明に描く。指揮を執る小泉と、それを支えた秘書官チームの姿が初めて明らかになる!

memo

「秘話」も「裏話」もない官邸の“公式ブック”。官僚の作文のような本。2006926日退任、同年128日本書発行。わずか2か月あまりで「秘話」が語られるはずがない。

*

岩見隆夫■孤高の暴君 小泉純一郎

大下英治■小泉は信長か―優しさとは、無能なり

佐野眞一■小泉純一郎ー血脈の王朝

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