増田晶文■ 吉本興業の正体
東京電力は2001年11月に吉本とイーブンで組み「キャスティ」を立ち上げた。
これは光ファイバーによる家庭へのインターネット接続サービス「TEPCOひかり」の加入促進を図ることを目的とした会社だ。〔…〕
東京電力では、あらかじめバジェットが決まっているとき、それぞれの項目で使える額を決めるために割り算をしていく。反対に予算を要求する場合は資材や人件費などを足し算、掛け算する。クギ一本、作業員一人の費用や人件費は明瞭だ。いや、東京電力に限らずほとんどの企業はこうやって予算を切り盛りする。
「吉本さんはすごいアバウトというか、ほんなら2時間ドラマ一本を2千万円込み込みでやりまひょか、って感じですね。明細を出してほしいというと、えーって顔になる」
吉本のスタッフは川島にいった。
「ピカソの絵に3億円の値がついたとして、誰がその絵の具代とかキャンバス代の明細を欲しがりますか? そんなもん、明細出しても合計が3億円になるわけありませんやん。ピカソの絵の値打ちはほとんどがソフト代なんです」
――第6章 ケッタイな会社
■ 吉本興業の正体|増田晶文|草思社|2007年04月|ISBN:9784794215833
★★★
《キャッチ・コピー》
吉本興業の創業から現在に至るまでを詳細に描いて、その「ケッタイな正体」に迫る。
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