大森望/豊崎由美■ 文学賞メッタ斬り!(2007年版―受賞作はありません編)
大森 新興の文学賞でいちばんの話題を集めた賞といえば、賞金2千万円のポプラ社小説大賞。第1回の応募総数がなんと2,746作。合計1.7トンだって(笑)。
豊崎 たいへんだ。
大森 それだけあると処分するのもたいへんで、いろいろ見積もりとった結果、断裁とか焼却じゃなくて、どろどろに溶かして再生パルプに加工する業者に頼んだそうです。ちゃんと“溶解証明書”が発行されるんだって。個人情報保護法のおかげで、最近はこういうビジネスが大流行みたいね。
豊崎 で、第1回は、その2,746作の中から、『削除ボーイズ0326』(方波見大志)が受賞したわけですが。
大森 過去の改変ものなんだけど、削除しかできない、それも3分26秒だけっていう設定がコロンブスの卵。時間SFのアイデアとしては非常に優秀なんだけど、さすがに2千万円ももらっちゃうとさんざん叩かれる(笑)。
――【ROUND2】メッタ斬り!が指南―07年版・公募新人賞の傾向と対策
■ 文学賞メッタ斬り!(2007年版―受賞作はありません編)|大森望/豊崎由美|パルコ出版|2007年 05月|ISBN:9784891947545
★★★
《キャッチ・コピー》
溢れ出る小説愛で益々冴え渡る文学放談。年に一度の文学賞祭り開幕!第2回「メッタ斬り!」大賞発表。最新受賞作全採点「文学賞の値うち」付。
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