見城徹■ 編集者という病い
自分の人生はとりあえず70年、そう勝手に決めています。残すところもう15年もない。その時が一瞬の後のように到来するでしょう。夏休みもあと10数回、ゴールデンウィークも10数回、お正月も花見もそうだ。
だから1回1回を真剣に生きようと思うけれど、そう思えば思うほど、センチメンタルな感情がこみ上げてきて、涙が出てきてしまう。涙で目がかすむ回数がとみに増しています。〔…〕
この本は現役編集者としての総決算であり、編集者という病いを背負った人間の総決算でもあり、だから僕の人生の総決算なのだと思います。
僕は自分がどう生きるかという形でしか仕事をしてこなかった気がします。
日々ぶち当たる問題や難関との格闘や恋する女性への想いの一つ一つが、自分の作った本の中に反映され刻印されているはずです。僕が生きていることの証明として、七転八倒や歓喜や絶頂や僕の涙が染み込んでいるわけです。
表現者の精神の世界を本という形にし続けたのですから、その本にわずかであっても僕の手形が残っているはずです。
――序章 悲惨の港を目指して
■ 編集者という病い|見城徹|太田出版|2007年03月|ISBN:9784778310509
★★
《キャッチ・コピー》
顰蹙は金を出してでも買え!! 僕はこうやって生きてきた。いや、こうやってしか生きられなかった。
《memo》
あま~い自画自賛本。
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