« 白川静■ 回思九十年 | トップページ | 佐藤優■ 国家と神とマルクス――「自由主義的保守主義者」かく語りき »

2007.07.11

五木寛之■ わが人生の歌がたり――昭和の哀歓

20070711itsukiwagajinsei

雑誌で美空ひばりさんと対談をしたとき、ずいぶん話が弾んだんですよ。〔…〕

「ではどんな曲が私の歌でいいと思いますか」と聞くから、「私は『リンゴ追分』よりは『津軽のふるさと』のほうがはるかにすばらしいと思う」と答えました。

そうしたら、「あの歌、そんなにいいですか」と、すごく意外そうなんです。「ええ、私はあなたの歌のなかで、世界中に通用する歌として、あれが一番だと思う」

と言いましたら、「じゃあ、来週、テレビに出るから、そこで歌ってみようかしら」と言っていました。

社交辞令だろうと思っていたら、ちゃんとその次の週に、ミュージック・フェアで『津軽のふるさと』を朗々と見事に歌っていて、感心しました。その後、「『津軽のふるさと』 っていいよね」という話が音楽業界で広がっていって、ひばりさんはこの曲を歌う機会を増やすようになりました。

津軽のふるさと(作詞・作曲=米山正夫)

りんごのふるさとは

北国の果て

うらうらと 山肌に

抱かれて 夢を見た

あの頃の想い出 ああ

今いずこに

りんごのふるさとは

北国の果て

――新しいイデオロギーと『津軽のふるさと』

■ わが人生の歌がたり――昭和の哀歓|五木寛之|角川書店/角川グループパブリッシング|2007 03月|ISBN9784048839693

★★★

《キャッチ・コピー》

大人気NHKラジオ深夜便トークにさらに加筆した初めての自伝。

敗戦下の昭和20年、植民地・朝鮮からの引き揚げと祖国日本での自立―。少年の身に降りかかる苛酷な日々を、懐かしい流行歌をバックに語り尽くした完全版自分史。

memo

 美空ひばりは、平成元年6月に52歳で亡くなった。テレビは毎年6月にひばりの特番を放送する。ことしNHKBS2を見ていて、ひばりのベスト3といえば、「みだれ髪」、「津軽のふるさと」、そして軽快なマドロスものの中から「港町13番地」と思った。

五木寛之■ 林住期

|

« 白川静■ 回思九十年 | トップページ | 佐藤優■ 国家と神とマルクス――「自由主義的保守主義者」かく語りき »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 白川静■ 回思九十年 | トップページ | 佐藤優■ 国家と神とマルクス――「自由主義的保守主義者」かく語りき »