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2007.07.16

団鬼六■ 生きかた下手――自伝小説集

20070716danikikata

私自身、最近では糖尿につづいて脳梗塞の発作、入退院を繰り返して同窓会と指定された場所へ行くのも段々億劫になっていた。

そして同窓会というのも他愛のないものだと思うようになってきた。

昔の学友と寄り集まって賑やかに騒ぎ合い、互いに老け具合を確かめ合ってやがてそこから隔離されたわびしさを感じ合う――同窓会といったものはつまりそれであって、〔…〕

いずれにせよ、十年間ほど持続させていた同窓会が一切、消滅したということは何となくほっとした気持が生じると同時に学生時代、青春時代の追憶ともこれで縁切りになったという耐えられぬ孤独に見舞われ出した。

いよいよ本格的に老人になるより仕方がないな、と私は感じたものである。もう何事も欲せず、願わず、黙って一日、椅子を揺らして読書して孫の面倒でも見るか――しかし、そんなに老け込むにはまだ私には心の抵抗があった。

そんな或る日、〔…〕

――「過ぎにしかたの恋しさのみ」

■ 生きかた下手――自伝小説集|団鬼六|文藝春秋|2004 03月|ISBN9784163227306

★★★

《キャッチ・コピー》

相場でしくじり都落ち。代用教員の傍ら書いたSM小説でピンク産業の寵児となるも、気がつくと無一文に。金に泣き、女に泣いた半生の末になお、うそぶく―一期は夢よ、ただ狂え!上手に生きて、何が面白い? ポルノの鬼才の破天荒な半生記。

memo

そんな或る日……。「65年前の友達の顔を見てあなた、思い出せるの」と妻に言われた幼稚園の同窓会。すっかり意気が投合して全員大酔いして戦争ごっこに行くようなはずんだ足取りで新宿歌舞伎町区役所通りを行進し、キャバクラへ向かっていくのだ。

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