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2007.08.04

吾妻博勝■ 新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街

20070804sinnjyuku

寒さが厳しくなると動き出すヤクザがいる。目当ては、稚魚のシラスウナギだ。シラスは数センチ前後で無色透明。南の深海から海流に乗って日本沿岸に近づいてくるが、それが12月から3月にかけて千葉県の海岸線にたどり着く。〔…〕

ヤクザが密漁シラスを扱うのは、利ザヤ稼ぎが目的である。国内が不漁であれば国内

で売りさばき、豊漁であれば中国へ密輸する。ところが最近は国内相場が高くても中国

へ運ぶケースが増えている。〔…〕

シラスウナギは成田、関西空港から香港経由で密輸される。シラスを入れた厚手のビニール袋をリュックサック、トランクなどで運ぶ。しかし、そのままでは「生きた海の宝」が1時間もしないうちに酸欠で全滅する。それを防ぐために出発前にビニール袋に圧縮酸素を送り込んでおく。

シラス密輸に関わった、関東のさる暴力団員が話した。

「一度に運ぶ量は、少ないときで3キロ、多いときは10キロを超える。1キロ30万円で売れば、10キロで300万円だ。密漁者に払った仕入れ代、飛行機代を差し引いても200万円以上の儲けが出る。密輸回数を多くすれば、こんなちょろいシノギはめったにあるもんじゃない。

シャブなら罪が重いから気軽にできないが、シラスは捕まっても知れたものだ

■ 新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街|吾妻博勝|文藝春秋|2006 12月|文庫|ISBN9784167609023

★★★

《キャッチ・コピー》

いま日本の闇社会は激変しつつある。台湾、福建、朝鮮族らのマフィア組織、そして日本のヤクザの対立抗争は、勢力図を様変わりさせた。

歌舞伎町の地を這う取材によって、日本のアンダーグラウンドの現状を明らかにしたルポルタージュの傑作。

*

久保博司■新宿歌舞伎町交番

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