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2007.08.31

あさのあつこ■ バッテリー Ⅵ

20070831asanobatte6

怖いバッターだ。

それは、生々しい実感だった。打席に立つ者の存在が、巧の五感を生々しく刺激する。バッターという記号ではなく、くっきりとした輪郭を持つ生身の人間がそこにいる。

だから、怖い。

汗を拭い、ミットを見据える。〔…〕

――怖れろ。

寒風の中の言葉を噛みしめる。

キャプテン、こういうことですか。

ボールに軽く唇をつけ、握り締める。バッターに感じた怖れを胸の底まで呑み下す。

呑み下せ。畏怖も怯えも迷いも惑いも、飲み下し溶解させ、ボールに託す力に変える。それが、球を投げるということだ。それができるから、ピッチャーなのだ。

おれは、ピッチャーであり続けたい。

両腕を頭上にかかげ、ミットに視点を定める。全ての力をボール一つに託す。足を踏み出す。手首がしなる。そして球が走る。

■ バッテリー Ⅵ|あさのあつこ|角川書店|2007 04月|文庫|ISBN9784043721061

★★

巧と豪を案じる海音寺、天才の門脇に対する感情をもてあます瑞垣、ひたすら巧を求める門脇。そして、巧と豪のバッテリーが選んだ道とは。

いずれは…、だけどその時まで―巧、次の一球をここへ。大人気シリーズ、感動の完結巻。

あさのあつこ■ バッテリー

あさのあつこ■ バッテリー Ⅱ

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あさのあつこ■ バッテリー Ⅴ

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