« 養老孟司■ 小説を読みながら考えた | トップページ | 丸谷才一■ 袖のボタン »

2007.08.15

高野秀行■ ワセダ三畳青春記

20070815takanowaseda

やはり「今どき三畳間で生活しているのは珍しいから取材させてほしい」とのことだ。このときはどんな取材をされたのか憶えていない。ただ、日経流通新聞とちがって、ちゃんと掲載誌を送ってきたと思う。

マスコミというのは、どこか一誌(紙)がニュースを取り上げると、他の各社も争って同じネタを追いかける野々村荘も同じパターンにさらされた。

日経流通新聞か二番目の雑誌かを見て、今度は週刊誌が電話してきた。〔…〕

「日本はバブルですっかり狂ってしまいましたが、逆にいえば低成長の時代で本来の姿を取り戻すチャンスだとも思います。そこで、今回はポスト・バブルの新しい生き方の象徴として『清貧』というテーマでお宅を取材させていただきたく……」

ずいぶんと口当たりのいいことを並べていたが、実際にその女性記者と待ち合わせの喫茶店に行ったとき、彼女のノートを見れば「貧乏」というタイトルが記されていた。〔…〕

2週間後、掲載誌が送られてきた。巻頭のモノクロ・グラビア4ページを使ったなかなか大きな企画だ。題して「貧乏ルネサンス」。〔…〕

新聞、雑誌と来れば、お次は当然テレビである。民放のバラエティ番組が取材を申し込んできた。

■ ワセダ三畳青春記|高野秀行|集英社|2003 10月|文庫|ISBN9784087476323

★★★

《キャッチ・コピー》

三畳一間、家賃月1万2千円。ワセダのぼろアパート野々村荘に入居した私はケッタイ極まる住人たちと、アイドル性豊かな大家のおばちゃんに翻弄される。

金と欲のバブル時代も、不況と失望の90年代にも気づかず、能天気な日々を過ごしたバカ者たちのおかしくて、ちょっと切ない青春物語。

memo

 “辺境冒険記”の背景を知るためには、作家自身の過去を知る必要がある。すなわち本書である。

*

高野秀行■ 西南シルクロードは密林に消える

日本を代表するエンタメ・ノンフ辺境探検作家、高野秀行のオフィシャル・ブログ

オンリーワンの辺境冒険作家高野秀行オフィシャルサイト

|

« 養老孟司■ 小説を読みながら考えた | トップページ | 丸谷才一■ 袖のボタン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 養老孟司■ 小説を読みながら考えた | トップページ | 丸谷才一■ 袖のボタン »