« 吉田修一■ 7月24日通り | トップページ | 高野秀行■ 極楽タイ暮らし――「微笑みの国」のとんでもないヒミツ »

2007.08.19

加藤義彦■ 「時間ですよ」を作った男――久世光彦のドラマ世界

20070819kathojikandesuyo

200632日の早朝、久世光彦は70歳で、あっけなく天国に旅立った。虚血性心不全だった。

出世作『時間ですよ』から36年。その間、ひたすら笑いと冗談とコメディに溺れ、そして、野山を駆けまわる少年のような無邪気さでテレビドラマとたわむれながら、楽しみを求めて、気ままな<寄り道>をくり返した。

ゴールを目ざして一心不乱に突き進むだけの人生は、あまりにもつまらない。たまには道草を食ってひと息つくのも、悪くないではないか。

根っからのマジメ人間は、「道草を食う」と聞くと眉をひそめそうだが、とかく世間では無駄、不必要と切り捨てられるものにこそ、真の楽しみがある。そのことを自らが撮ったテレビドラマを通して、無言のうちに教えてくれた人だった。そこにこそ久世ドラマ最大の魅力があるといっても、決して言い過ぎではない。〔…〕

まだテレビゲームもインターネットもなく、地上波のテレビ番組が、「娯楽の王様」として君臨した時代があった。当時の少年少女にとって連続ドラマは、まだ足を踏み入れたことのない大人の世界を見せてくれる、「もうひとつの教科書」でもあった。

■ 「時間ですよ」を作った男――久世光彦のドラマ世界|加藤義彦|双葉社|2007 03月|ISBN9784575299540

★★

《キャッチ・コピー》

「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」等、一世を風靡したTBSの人気ドラマ群。それを演出した故・久世光彦氏に生前インタビューした内容を収録。当時のエピソード、自身の作劇術、「笑い」へのこだわり等々、興味深い話をスチール写真と共に綴る一冊。

*

川本三郎/斎藤慎爾:編■ 久世光彦の世界-昭和の幻景

■ 久世光彦の世界-昭和の幻景

小林亜星・久世光彦ほか■ 久世塾

|

« 吉田修一■ 7月24日通り | トップページ | 高野秀行■ 極楽タイ暮らし――「微笑みの国」のとんでもないヒミツ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 吉田修一■ 7月24日通り | トップページ | 高野秀行■ 極楽タイ暮らし――「微笑みの国」のとんでもないヒミツ »