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2007.08.21

杉本信行■ 大地の咆哮――元上海総領事が見た中国

20070821sugmotodaiti

中国では農民とは農業に従事する職業的なカテゴリーというよりは、「身分」を表している。

都市住民は、生活最低保証、失業保険、養老年金、一定程度の医療保険等、路頭に迷わないための最低限の社会保障の対象になっている。

だが、「農村戸口」と呼ばれる戸籍に分類された農民は、現在の生活の根拠が農村部にあろうが都市部にあろうが、都市戸籍を持っている人々が享受している社会保障の対象外となっている。

ただでさえ都市住民との間に相当な所得格差があるにもかかわらず、地方政府からさまざまな制度外費用を徴収されるうえに、割高なインフラ料金を払わされる。

労働奉仕の義務を課せられる。さらに、出稼ぎに出た都市で受ける差別など、実際、都市と農村の格差は正視に耐えないほど拡大している。〔…〕

中国の現状をたとえていえば、共産党一党独裁制度の旗の下、封建主義の原野に敷かれた特殊な中国的社会主義のレールの上を、弱肉強食の原始資本主義という列車が、石炭を猛烈に浪費しながら、モクモクと煤煙を撒き散らし、ゼイゼイいいながら走っているようなものだ。 

――第13章 中国経済の構造上の問題

■ 大地の咆哮――元上海総領事が見た中国|杉本信行PHP研究所|2006 07月|ISBN9784569652344

★★★

《キャッチ・コピー》

中国は日本にとって時としてやっかいな隣国であるが、だからといって引っ越すわけにもいかない。約30年間、中国外交の第一線で活躍した元上海総領事が、知られざる大国の実態と問題点を、その歴史と現状から分析する。

memo

200411月に末期がんの診断を受け、治療を受けながら本書を執筆。20068月、死去。57歳。

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