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2007.08.12

立松和平■ 映画主義者 深作欣二

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取材をつづけてきて、深作は映画人としてだけではなく、上質な人生を送ってきた人だと見えてきた。

ほとんどの人はどこかで自分自身に嘘をつき、社会と一度妥協をすれば際限もなく後退をつづけ、悔いの山の中で晩年を迎える。私たちの身のまわりにはそんな人生ばかりなのだが、深作の人生には真実の川とでも呼びたいような、途切れない一筋の光が通っている。

それは映画の光なのである。深作にかぎって、もし映画がなかったらその人生はどうであったか、などという仮定は成立しない。映画がなければ、深作の人生もない。そして、実際に映画があった。

深作は一度も映画を裏切ったことはなかったし、映画も深作を一度も裏切ったことはなかった。なんと楽しい人生なのかと、ここまでペンを走らせてきて、私は溜息を禁じ得ない。

こうして考えていくと、時代を反映しない映画は考えられないし、映画を持ってない時代も考えられない。

■ 映画主義者 深作欣二|立松和平|文春ネスコ/文藝春秋|2003 07月|ISBN9784890361816

★★★

《キャッチ・コピー》

サクさん、40年、いや50年近くあなたは脇目をふらず歩き続けた。あなたを突き上げたのは何だったんでしょう。戦後の日本ですか-?  立松和平自らの歩みを交え、深作の周辺に取材を重ねた渾身のノンフィクション。

memo

 菅原文太、千葉真一、山城新伍、岡田茂、高岩淡などインタビュー。著者はインタビューの“名手”。

*

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