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2007.09.27

今野敏■ 隠蔽捜査

20070927konnoinpei

竜崎は、コップに残ったビールを一気に飲み干した。妻の一言に腹を立てていることを表現したつもりだが、妻はまったく平然としていた。

「この年で、長官官房の課長をやっているんだ。おまえが思っているよりずっと俺は有能なんだ」

「お役所の仕事はできるんでしょうけどね……」

竜崎は、またしてもぽかんとした顔になって尋ねた。

「役所の仕事ができればそれでいいじゃないか。俺は役所に勤めているんだぞ」

「あなたって、本当に変わってる」

「どこがだ」

「世の中とどれくらいずれているか、まったく気づいていないのね」

「世間がどうあれ、それに迎合する必要がどこにある」〔…〕

「おまえが言う世間というのは何だ? テレビを中心とするマスコミに扇動されている軽薄な社会のことか? あれは幻想だ。中身が何もない形だけの世界だ」

「私たちは幻想の中で暮らしているというんですか!」

*

*

■ 隠蔽捜査|今野敏|新潮社|2005 09月|ISBN9784103002512

★★★★

《キャッチ・コピー》

竜崎伸也、46歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る―。互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立。組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは。

memo

 「果断―隠蔽捜査2」が評判なので1作目からとまず本書を手にした。危機管理をテーマにしたビジネスマン小説である。上述のようなクソマジメ人間を主人公にするのはミスキャストと思われたが、腐敗した組織においてみるとこれがどうして……。

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