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2007.10.26

岸本佐知子■ ねにもつタイプ

20071026kishimotonenimotu

ついついコアラの鼻について考えてしまうのである。

あの鼻。材質は何でできているのだろう。何となく、昔の椅子の脚の先にかぶせてあった黒いゴムのカバーに似ている気がする。〔…〕

そもそもなぜあんな形なのだろう。古い新幹線そっくりだ。もしかしたら新幹線の鼻みたいに、コアラの鼻も蝶番でパカッと開くのだろうか。開けて中に何を入れる。冬眠用の木の実とかを入れておけたら便利そうだ。〔…〕

蝶番で開くのではなく、部品のようにポッコリはずせるのかもしれない。見るからに「はめ込みました」という感じではないか。あの鼻を手でつかんで引っぱってポッコリ取り外せたら。その素敵な手応え。

外した鼻を手のひらに載せてみる。しっとりと持ち重りがする。軽く握るだけで癒しの効果があります。また文鎮にも最適。チェーンをつけてキーホルダーにするもよし。パソコンのマウスにするには、やや小さいだろうか。

                       ―― Don’t Dream

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■ ねにもつタイプ|岸本佐知子|筑摩書房|2007 01月|ISBN9784480814845

★★★★

《キャッチ・コピー》

観察と妄想と思索が渾然一体となったエッセイ・ワールド。ショートショートのような、とびっきり不思議な文章を読み進むうちに、ふつふつと笑いがこみあげてくる。

memo

 クラスに一人はこういう妄想的思考孤立的美少女の異星人がいましたよね。本書の〈クラフト・エヴィング商會〉の挿画のウイットにも唸った。

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