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2007.10.11

橋爪紳也■ あったかもしれない日本――幻の都市建築史

20071011hasodumeattakamo

琵琶湖に関しては、古来、さまざまな提案がなされてきた。なかでも実現しなかった大構想は、運河を開削して琵琶湖と日本海とを連絡し、太平洋までを船で運行できるようにしようとするプロジェクトである。〔…〕

吉田幸三郎の提案は「阪敦運河開鑿」と名付けられている。〔…〕最大の特徴は、琵琶湖の水を一定程度抜いて、水位を現状より43メートルほど低く、海抜41メートル強にまで下げようと考えた点だ。言い換えれば琵湖の面積を、2分の1にまで狭くする干拓事業を運河建設と同時に進めようとしたわけだ。

吉田は、運河開削事業の目的と効果を6つ掲げている。第1には交通線を短縮することで、通商の便に利する点である。〔…〕

2には琵琶湖および淀川沿岸の水害を除去できる利点がある。〔…〕第3にはこの事業によって、新たに造成される土地の収益がある。琵琶湖沿岸に34836町歩の干拓地が生まれる。〔…〕

4には運河を利用した発電事業、第5には国防上の利点、そして第6に沿道の地価高騰を指摘している。吉田は総工費4億円、完成まで10年が必要だとして毎年4千万円でできると計算する。

――3・夢の琵琶湖大運河

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■ あったかもしれない日本――幻の都市建築史|橋爪紳也|紀伊国屋書店|2005 11月|ISBN9784314009980

★★★

《キャッチ・コピー》

皇紀2600年(昭和15年)の万博とオリンピック、関東大震災のモニュメント、琵琶湖大運河、甲子園秘話、阪神国際飛行場、臨海の東京市庁舎、大阪万博の初期構想…。実現しなかった夢のプロジェクトに「もうひとつの」国のかたちを読む。

memo

“琵琶湖大運河”は1923(大正12)年に発表されたもの。

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