池上彰■ 池上彰の新聞勉強術
新聞各紙にはそれぞれの姿勢があって、場合によっては一定の方向に世論を“誘導”していくための表現をすることがあります。
2005年4月15日、衆議院の憲法調査会が「憲法を改正するか」「改正するとしたらどの部分か」について、最終報告書を提出しました。〔…〕
護憲派の朝日は、「9条改正 方向示さず」。つまり「改正の方向を明確に打ち出すには至らなかった」と書かれています。
改憲派の読売は「9条改正 論議前進」。「憲法改正への道筋が明らかになった」という論調です。
毎日は「9条改正は否定せず」。現時点での政界の意見集約に限界があり、まだ紆余曲折が予想されるという論旨です。
産経新聞には「9条改正方向性確保」「現憲法下、国会で初めて意法改正の方向性を打ち出す内容で、改正に向けた大きな一歩となった」とあります。
さてこの調査会の報告書。「改憲」へ向かってゴーなのか、それとも否定されたのか……。〔…〕
要するに各紙とも、自分たちが考える「尺度」からの視点でニュースを解説しているわけです。ここに明確な“姿勢”の違いを見て取ることができます。
――第4章「新聞の読み比べ」で身につく情報力
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■ 池上彰の新聞勉強術|池上彰|ダイヤモンド社|2006年 09月|ISBN:9784478761045
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《キャッチ・コピー》
新聞をただ「読むだけ」ではもったいない! 著者が新聞を有効に活用している“勉強術”について、ご紹介しましょう。
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