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2007.11.13

宮嶋茂樹■ 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト(上)爆弾ボコボコの巻

20071113miyajimabibirian

「ドーン!」

文字通りベッドから転げ落ちた。窓ガラスの向こうが真っ赤や。〔…〕カメラを引っ掴み、ベランダに出る。近い、近すぎる。隣の大統領宮殿が目標である。

眼前に閃光が走る。間髪をおかず「ドーン」。同時に熱風が襲ってきた。衝撃波である。

こんなに熱いものか……、衝撃波というよりモロ爆風である。熱い、しかも強烈である。〔…〕

こんなことを予想して、ちゃーんとフランスはジッツォ社のライトウェイト・カーボンロッドの三脚をスーツケースに詰めてきた。落ち着け。落ち着くんや、まだ炎は上がっとる。

また閃光、そしてドーン! 再び閃光、ドーン!

爆風に襲われた顔が火傷しそうなくらい熱い。〔…〕

カスッ。バルブ・シャッターが再び閉まる。フィルム・カメラと違い、デジタルはシャツター・スピードと同じ時間、データをなんとかカードに書き込むのにかかる。つまり15秒間のバルブ撮影だと書き込みに15秒間かかり、その間、カメラは書き込みに大忙しで、次の撮影はできんのである。その時問がもったいなく、じれったい。

ピッカー!ドーン!

スゴイ!スゴイ!これはスゴイ!

バグダッドに来て、本当によかった。こんな光景、世界のどこで見られるというのであろう。

――「大統領宮殿、炎上す!」

*

*

■ 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト(上)爆弾ボコボコの巻|宮嶋茂樹|都築事務所/祥伝社|2007 08月|ISBN9784396693244

★★★★

《キャッチ・コピー》

あの時、バクダッドでなにが起きていたか。不肖・宮嶋の迫真ドキュメント・シリーズ。

memo

 2003年、対イラク戦争開始前後のバクダッド、おなじみ宮嶋ぶしでマスコミ・ゲリラたちの生態を“ライブ中継”。

*

 「まえがき」から……。

いったい、この戦いは何やったのやろう。国籍を問わず、積み上げられた屍の山に、どんな意味があるというのであろう。それは、この本を読んでもわかりません。書いた私にもわからんのだから……。ここに記すのは、あの時、バクダッドで何が起きていたか、それらに不肖・宮嶋がどう対処したか、それだけです。

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