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2007.11.19

■ 田村隆一 ――現代詩読本・特装版

20071119tamuratamura

田村 昔の人はどういうわけか日記が好きですね。祖父は当用日記を30冊くらい持っていましたね。今日は晴れている、雨が降っている、と書かなければ一日が過ごせないんですね。死ぬ前日まで書いていました。

明治生まれの人にいわせると、人生なんて一日なんですね。その日が晴れか曇りか。だから荷風の日記で一番感動的なのは、やはり天気ですね。

金子 今の天気予報なんて、くもり、後雨、時々晴、なんだかわからないね、あれは。

田村 そうですね、今の人は天気なんて関係ないですものね。昔は天気に生活が支配されていましたが……。〔…〕

金子 ところで、あんた日記をつけているの。

田村 ええつけています。だけど感想は書かないです。ぼくの場合は3年連用日記といって、書く部分が一番少ないやつですよ。しかも3年が1頁に入っているから、昨年の今日、何をやったかすぐわかるわけです。あれは、日本人が発明した日記では最高のものですね。

金子 なるほど。

田村 感想を書くと、後で見てぞっとするんですよ。下手に文学的感想を書こうと思うから3日ぐらいでみんなやめてしまうのですよ。

――金子光晴・田村隆一「文明はエロス」

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■ 田村隆一 ――現代詩読本・特装版|思潮社|2000 08月|ISBN9784783718536

★★★

《キャッチ・コピー》

戦後詩を代表する詩人、田村隆一。3回忌にあたり、代表詩、未刊詩篇、エッセイ、座談会等のほか、同時代人らによる追悼文、作品論等を収録。

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