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2007.11.05

梶山季之資料室■ 梶山季之と月刊「噂」

20071105kajiyamauwasa

私は執筆中の夫の後ろに座り込み訴えた。亡き父は息子の躰、仕事のこと、孫娘のこと、世間の眼の在り方、「噂」についても同じく心配して下さっていたことを述べ、「「噂」やめましょうよ」

と一気に口にした。

夫は、萬年筆を走らせながら、

「そうだな……うん」〔…〕

私は、“鬼”になっていた。すぐさま階段を駆け下り編集部に跳び込んだ。編集長は机の前で仕事中。礼儀もなにも考えずに、云った。

「今、「噂」をやめていいと云いました。梶山が」

返ってきたのは、

「ああ、よかった」

だった。

「どうして?」

「だって、こちらからは云えないですもの‥」

私も言葉が出なかった。

――2007414日 梶山季之の33回忌を迎えるにあたって 梶山美那江

*

*

■ 梶山季之と月刊「噂」|梶山季之資料室|松籟社|2007 05月|ISBN9784879842527

★★★

《キャッチ・コピー》

昭和40年代の流行作家・梶山季之が経費を負担して刊行し、後の出版界に大きな影響を与えた月刊誌『噂』。その全貌(全号の表紙、目次、広告)をまとめ、発行の舞台裏も紹介する。創刊号を巻末に復刻収録。

memo

 月刊「噂」は昭和468月号から493月号まで32号続いた。本書によれば、赤字6,600万円。昭和4612月「オール読物」に掲載した梶山のエッセイには……。

*

――去年、私の所得は、印税を含めて約7,000万円であった。この金額を見ると、世間の人は、さぞポルノ小説で稼ぎまくった……と思うだろう。去年、私が書いた原稿は10,400枚だと云う。しかし、税金をとられ、私の手許に残ったのは、1,700万円で、その上、過去3カ年に遡っての調査を受け、1,200万円の追徴金をとられたから、実質に残った収入は、たった500万円にすぎない。1万枚書いて、500万円の純利益! この中から大宅文庫に250万円寄附したから、私の家族は、残りの250万円で生活していることになる。

*

 ところで……。月刊「噂」のバックナンバー15冊を、以前楽天で5,000円からオークションにかけたが、売れなかった。手元に残したままだが、梶山も“文壇”も彼方に。

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