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2007.11.03

池澤夏樹■ 虹の彼方に――池澤夏樹の同時代コラム

20071103ikezawanijino

現代のように人の行き来の多い時代に、外国人労働者も難民も一切入れないという姿勢は通用しない。

少子化で労働力が不足するのは目に見えている。多人種化は先進国の義務であり、やがて日本でも肌の色や宗教や言葉や文化の違う人々と共生する時代がくるだろう。

問題はわれわれの未経験だ。異人種、異文化の人々と暮らす際に起こるトラブルとそのかわしかたを知らない。〔…〕

(イギリスでは)多文化社会になって40年が過ぎたというのに、白人系イギリス人の半分以上はアフリカ系やアジア人、モスレムなど、異人種の友だちをまったく持っていないというのだ。その機会がなかったのか避けたのか。〔…〕

アフリカやアジアの旧植民地からの流入人口を多くかかえて経験を積んできたイギリスでさえこうなのだ。その一方、今のロンドンを見ていれば、イギリスの文化的活況が人種や文化の混合から生まれていることがわかる。

才能が集まらなければ魅力ある文化は育たない。これまでは人材を国内でまかなえたが、その時期は終わった。暮らしの場として日本は楽しいと言われるのは何十年先だろう。

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■ 虹の彼方に――池澤夏樹の同時代コラム|池澤夏樹|講談社|2007 09月|ISBN9784062128742

★★

《キャッチ・コピー》

テロと戦争、子供の命、温暖化…。色調が変わった世界のなかで、人間は理性を取り戻せるか。世界と日本の激動を振り返り、未来を展望する。20002006年、月刊『現代』連載。

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