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2007.11.14

宮嶋茂樹■ 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト(下)砲弾ドカドカの巻

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海兵隊の工作装甲車はクレーン・アームを伸ばし、その先端をサダムの喉元に突きつけた。

市民の歓声が一段と大きくなる中、二人の海兵隊員がスルスルとネズミのようにてっぺんまで登る。市民が銅像の首に巻いたロープの上から、重い鉄の鎖がしっかり巻かれた。

皆の予想どおりとはいえ、今、目の前で、銅像ではあるがサダムの死刑が執行されようとしているのである。米兵の手によって――。

一番上の海兵隊員が懐から取り出した布でサダムの顔をすっぽりくるんだ。絞首刑の通例である目隠しである。その布の模様――スターズ&ストライプス(星粂旗)を見た群衆は、一瞬、沈黙し、その後、大ブーイングを始めた。

海兵隊員はサダムの頭から無造作に星条旗を剥ぎ取ると、今度は別の布を取り出した。星条旗にブーイングが起こるのは読み筋やったのである。まるで洗濯物を干すかのように拡げられた二枚目の布は赤白黒の横縞三色旗に星三つ、イラク国旗であった!

「オオーッ」

見つめていた市民の間からどよめきが起こる。そして、次の瞬間――。

「ブー、ブー、ブー!」

再びブーイングであった。今度はさっきより激しい。

――「サダム像を引き倒せ!」

*

*

■ 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト(下)砲弾ドカドカの巻|宮嶋茂樹|都築事務所/祥伝社|2007 09月|ISBN9784396693251

★★★★

《キャッチ・コピー》

不肖・宮嶋、戦車に撃たれる? イラク戦争でバグダッドに潜入した著者の迫真ドキュメント。

memo

(本文280)

サダムの銅像の死刑――あの歴史的瞬間を目に焼きつけたのは、数百人のバグダッド市民と、一中隊分のマリーンと、100人足らずの同業者だけである。日本人に至ってはヒトケタである。そのシーンを、私はこの日で見、愛機のレンズがとらえた。

(本文187)

この砲声も振動も硝煙の臭いも写真には写らんのである。しかし、よう聞け。「いい写真からは音が聞こえる」のである。どや、なかなかの名言であろう。カンドーしたか? 誰が言うたんやって、そら、ワシや。

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宮嶋茂樹■ 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト(上)爆弾ボコボコの巻

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