山田昌弘/伊藤守■ 格差社会スパイラル――コミュニケーションで二極化する仕事、家族
ほんの十数年前までは、親の言うことを聞いて一生懸命勉強し、偏差値の高い学校に入ればそれなりの就職ができ、先輩や上司の言う通りの仕事をこなしていけば、安定した収入を得ることができ、ひいては安定した家庭をも維持することができました。
社会の自由度、再帰性が高まるということは、制度が私たちの人生を保証しなくなったということです。教育にしろ、仕事にしろ、家庭にしろ、言われた通りにしていればゴールが見えたという時代は、もう終わりました。
この新しい社会に適応できる人、できない人の間で格差が拡がりつつあります。できる、できないの要因は何かと考えてみると、私は「コミュニケーション」ではないかと思いました。
コミュニケーション能力を持っている人は、教育、仕事、家庭において自分が意図する人生が送れる確率が高くなります。反対に能力のない人は自分が意図した人生を送ることが難しくなっています。
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■ 格差社会スパイラル――コミュニケーションで二極化する仕事、家族|山田昌弘/伊藤守|大和書房|2007年 03月|ISBN:9784479791997
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《キャッチ・コピー》
すべての格差はコミュニケーションへの諦めから生まれる!
日本人のコミュニケーションに対する勘違いが生み出す収入格差、教育格差、企業の資産格差……。親や教師、会社の上司のコミュニケーション能力の欠如によって、いま深刻化する格差がどのように子ども、部下へと引き継がれ、さらにはその子どもへと再生産されるのか。
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