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2007.12.08

岡山徹■ ひとり介護――母を看取り父を介護した僕の1475日

20071208okayamahitori

まあ、85にもなって、ワープロを使い、あまつさえ発明までして意欲を見せているのは、ぼうっと家でテレビばかり見ている老人よりも覇気があっていいというのは、他人の意見であって、身内の人間からすると、おとなしくテレビでも見て一日中寝ていてくれたほうがよっぽどましというのが本音だった。〔…〕

「これ以上、俺の足をひっぱるのはやめてくれ。ただでさえ、大変なんだから」

「ジャマなんだな?」〔…〕

「なあ、おやじ……もうこれ以上は無理だよ」

さすがの父も言葉に詰まった。

「そうか、無理か……ああ、もう死んでしまいたいよ」

「じゃあ、死んでしまえばいいだろ」

売り言葉に買い言葉だった。

父は泣いていた。

後悔したが、もう遅かった。

ついに発してはいけない言葉を発してしまった。それぐらい、僕は疲れ切っていた。

*

*

■ ひとり介護――母を看取り父を介護した僕の1475日|岡山徹|ダイヤモンド社|2007 09月|ISBN9784478002582

★★★

《キャッチ・コピー》

ひとり暮らしの著者のもとに両親がやってきて3年、母親が胆管癌で余命わずかと宣告される。

延命のための手術を決断、残された日々をいとおしみながら2年をともに暮らし見送った後、脳梗塞の後遺症を持つ父親の介護を2年余、くも膜下出血で突然死するまでの労苦を、骨太でときにユーモラスな筆致で綴る。

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