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2007.12.11

橋爪紳也■ ゆく都市くる都市

20071211hashidumeyukutoshi

近年、やむをえず閉園した遊園地のひとつに大阪新世界のフェスティバルゲートがある。大阪市交通局が土地信託方式を採択し、市バスの車庫として使用していた用地の跡地を再開発したものだ。地上8階建て、店舗面積だけでも5700平方メートルを占める。

屋内型遊園地とシネマコンプレックス、飲食店や物販などからなる複合施設であった。1997年に開業した時には、建物を貫き、また谷間を縫うように疾走するジェットコースターがおおいに話題になった。〔…〕

私はそもそも「都市型」の「遊園地」という発想自体に、自己矛盾があったように思えてならない。

なぜなら遊園地と競合している存在が、実は都市そのものであるからだ。

この国にあっては、遊園地に含まれていた諸要素がいつのまにか都心に散在した。東京や大阪の盛り場を見ればよい。各種の飲食店や物販、ゲームセンターやパチンコ屋が圧倒的に集積している。

ビルの屋上や壁面に大型の観覧車を設置する例は各地に見受けられるようになった。メイド喫茶やフィギュアの専門店が集まる秋葉原や大阪・日本橋界隈などは、街そのものがまるでテーマパークのようだ。

さまざまな世代、さまざまな嗜好の人たちが、時間が経過するのを忘れて楽しみ続けることができる――日本の都市にあって独自に発展した盛り場と呼ばれるアミューズメント地区こそ、アメリカのビーチリゾートで雛形がつくられた大衆的な遊園地の最終形態なのかも知れない。

――「遊園地」

*

*

■ ゆく都市くる都市|橋爪紳也|毎日新聞社|2007 07月|ISBN9784620318233

★★★

《キャッチ・コピー》

タワー、遊園地、路地、ビジネスセンター、そして…。橋爪教授の「新しい都市」発明ノート。

memo

200711月 大阪市長選

平松 邦夫 367,058 

関  淳一 317,429 

姫野  浄 113,201 

橋爪 紳也  89,843 

藤井 永悟   8,199  

橋爪紳也■ あったかもしれない日本――幻の都市建築史

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