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2008.01.16

坪内祐三■ 四百字十一枚

20080116tubouchiyonnhyaku

ピーターは店のすべての本を記憶していた。だからブックス・アソド・カンパニーはずっとコンピューターを導入することがなかった。しかも彼は、自分の確かな興味を持っていた。「書棚に収められた本は、いくらかお酒落なヨーロッパ哲学に傾いていたが、僕はすべてのものに興味があった。ある日、僕は、フランスの哲学者フーコーが嫌いだという結論に達し、フーコーの本を減らした」。

しかしそういう人間的な個性は、コンピューター化されていく時代の中で、古くさい物になってしまった。ブックス・アンド・カンパニーが閉店してしまったことについて、スーザン・ソンタグは、こう言う。

読書を大切に思う人々にとっては致命的なハンディキャップだ。私は自分が手に入れたいとわかっている本だけを買いたい人間ではない。自分の知らない本や作家を発見したいのだ。すばらしい書店ではそれができる。オンライン書店では実際の書店で目を通すほどの情報は決して得ることはできない。

――「あのブックス・アンド・カンパニーについての本」

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■ 四百字十一枚│坪内祐三|みすず書房|2007 09月|ISBN9784622073253

★★★★

《キャッチ・コピー》

変ってゆく東京の町と書店。そこで本を買い本を読む。丸山書簡集やバルト著作集から、明治文学、ブッチャー自伝まで。『雑読系』に続くちょっと長めの書評43本。

memo

 この著者の書評を読むと、ほんとうに読みたくなる。とりあえず宮崎三枝子「白く染まれ――ホワイトという場所と人々」を発注。

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