村田裕之■ リタイア・モラトリアム――すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか
人生のスタート地点である大学と終着地点のような老人ホーム。一見、相容れないこの二つを結びつけたのがカレッジリンク型シニア住宅だ。
アメリカも日本も大家族が崩壊し、核家族が当たり前の社会。そこでは、世代問の交流は断ち切られている。しかし、この断ち切られた交流を復活させるのが「知縁」の力であり、その交流の場がカレッジリンク型シニア住宅なのである。〔…〕
カレッジリンク(College-link)の本質は、実は「ナレッジリンク(Knowledge-link)」である。シニア住宅の年長者・スタッフと大学の学生・教職員がもつ「知のエネルギー」がつながること、つまり「知縁」によって従来存在しなかった新しい価値が生まれるのである。〔…〕
カレッジリンク型シニア住宅で起こっているのは、知縁を核にした「異世代交流の革新」なのである。〔…〕
知縁コミュニティこそが、究極の「脱・リタイア」生活の姿なのである。
――第10章 カレッジリンクという「知縁型」ライフスタイル
*
*
■ リタイア・モラトリアム――すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか|村田裕之|日本経済新聞出版社|2007年 08月|ISBN:9784532490133
★★★★
《キャッチ・コピー》
多くの職場で増える定年退職後も働く人、「半働半遊」から「知縁型」ライフスタイルへ。多くの事例をもとにシニアビジネスの方向性を提示。
《memo》
定年間近の50代におすすめ。アメリカのリタイアメント・コミュニティの終焉、HOHO(His Office Her Office)、カレッジリンク、「知縁型ライフスタイル」の紹介など、ハウツーものを超えて、定年後の生き方を示唆。
| 固定リンク
コメント