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2008.01.26

中村うさぎ■ 愚者の道

20080126nakamuragusya

ある時期から、私は、きわめて自覚的に「愚者」として生きるようになった。

開き直ったと言ってしまえばそれまでだが、しかし私のように肥大したナルシシズムを抱え、見栄と野望と上昇志向のみに牽引されて生きてきた女にとって、「自分は愚者であり、これからも愚者として生き続けるのだ」という覚悟を決めるのは並大抵のことではなかったのだ。〔…〕

「自らの才能と努力によって高い収入を確保した聡明なる女」と他人から承認されたいがために、常軌を返したブランド物買い漁り現象にハマり、気がつけば「たかが物欲すらコントロールできない大バカ女」に成り果てていた。

「愛した男を一流に育て上げたいという願望は、私を「山内一豊の妻ばりのいい女」にするどころか、単なる「ホスト狂の色惚けババアにしただけであり、「若く美しい女と思われたい」と整形手術にうつつを抜かした挙句の果てには、「もはや美女云々以前のサイボーグ怪物女」と化してしまった私である。

「人々から賞賛されたい、羨望されたい、褒められたい」と願えば願うほど、人から嘲笑われ軽蔑され忌避される愚かな異端者となっていくのだ。ならば、いっそ「愚者」として生きるより他にないではないか。

そう思った途端に、パァッと目の前が開けた。そうか、これこそが私の「道」だったのだ。

――「はじめに-愚者の目覚め」

*

*

■ 愚者の道|中村うさぎ|角川書店|2005 12月|ISBN9784048839440

★★

《キャッチ・コピー》

買い物、ホスト、整形、そしてついにデリヘルへ。それは無目的な狂態か、はたまた確信犯的挑戦か。彼女の向かう先には、いったい何があるのか?! 地獄へと笑いながら墜ちていく中村うさぎのギリギリの人生を綴った硬派エッセイ!

memo

 ついに行き着くところは、“哲学する”女へ。

中村うさぎ■ さすらいの女王

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