雨宮処凛■ 生きさせろ!――難民化する若者たち
――でも、なぜこんなに不平等になってしまったんでしょうか。
「平等という概念がこの間蔑ろにされてきました。平等であることがさも悪いことになってる雰囲気がありますね。平等だと皆同じで個性がなくて画一的で良くないというようなイメージでしょう。
でもなんで平等だと悪いのか。それぞれ個性に応じて働き方には多様性があるみたいな、やたらと多様性を強調する話は警戒したほうがいいでしょう。
賃金の格差があっていいし、餓死するホームレスがいていいし、南の島でクルージングして貧乏人を足蹴にする大金持ちがいていいし、世の中多様性が大事だという話になりがちです。
あと、これもよくいうことですが、正規雇用が管理的な業務に限定されつつあるということですね。
人を監視、管理、評価、序列化する、そんな人たちです。雇用を正規と非正規というふうに分けたのは、そこに意味があるのだととらえるべきでしょう。正規が非正規を監視、管理、序列化する。つまり管理する者と管理される者として敵対させる、分断する。お互い敵視させておいたほうがいいというふうに」
――「ネオリベとフリーター――社会学者・入江公康氏に聞く」
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■ 生きさせろ!――難民化する若者たち│雨宮処凛|太田出版|2007年 03月|ISBN:9784778310479
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《キャッチ・コピー》
自己責任の名のもとに私たちを使い捨てる社会に、企業に、反撃を開始する!この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書。
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